ウィーン国立歌劇場来日

9年ぶりとなるウィーン国立歌劇場公演、この10月『フィガロの結婚』で幕が開き続いて『ばらの騎士』が上演されました。どちらの作品もウィーン国立歌劇場の最も力を入れて上演を重ねてきた演目です。

今回、R.シュトラウスの『ばらの騎士』の演目初日の公演を観ることができました。というのも、今回のプロダクションが今年1月に亡くなられたオットー・シェンクの名演出の舞台であり、長年ウィーン国立歌劇場のレパートリーとして上演され続けてきた日本では滅多に観ることのできない舞台で、この舞台を観なければ一生後悔すると思い、駆けつけました。

期待していた以上に深く心を揺さぶられる舞台でした。『ばらの騎士』は私にとって今まで最も遠い存在のオペラの代表格だったのですが、今回の舞台を味わいR.シュトラウスの音楽ドラマの魔力、そして舞台の艶やかさに取りつかれました。何よりオペラでありながら、まるで芝居を観ているような言葉による連動した細やかな表現、間のとり方の絶妙さ、驚きでした。もちろん音楽のアンサンブルやアリアも聴きごたえのあるものでした。特に第二幕のばらの騎士が到着するシーンは、オペラらしい見せ場でした。オペラと芝居の距離がとても近くなり、より細かい舞台上での人間模様のドラマをオペラの中で見出した公演でした。